太平洋海戦史


ペナン沖海戦1945.5.16

 1945年、連合艦隊の残存艦隊は散り散りになっていた。そのうちシンガポールに取り残された艦艇は2月に福留繁中将麾下の第10方面艦隊として編成されていた。しかし可動艦艇は、重巡「羽黒」「足柄」と駆逐艦「神風」と若干の小艦艇だけであった。
 第10方面艦隊のうち「羽黒」「神風」は、インド洋のアンダマン諸島への物資輸送とマレーへの兵員輸送の任についた。5月12日シンガポールを出港したものの、5月15日、イギリス艦隊が行く手を阻むよう展開しているとの情報を得てアンダマン行きを断念、ペナンへ待避することにしたが、5月16日午前2時10分イギリス艦隊に捕捉され、「羽黒」は戦闘態勢をとりつつ砲撃を開始した。
 雷撃態勢をとっていたイギリス艦隊駆逐艦5隻は、一斉に魚雷を発射、うち1本が「羽黒」に命中した。このときガソリンのドラム缶が命中弾で発火した。、2時50分「神風」をペナンへの待避をさせると「羽黒」は単艦戦闘を継続し、ついには駆逐艦に囲まれ集中砲火を受け、さらに魚雷3本を受け左へ傾斜し、艦首が沈下した。そこへ駆逐艦「ヴィラーゴ」が発射した8本の魚雷が打ち込まれ、「羽黒」は黎明と共に沈没した。
 ペナンへ離脱した「神風」はすぐに戦場へ引き返したものの、すでに「羽黒」はなく、兵員300名を救助した後、シンガポールへ引き返した。
 ペナン沖海戦は、第2次大戦最後の水上戦となり、沈没した「羽黒」は水上戦で失われた最後の軍艦となった。

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